管理栄養士の塩分に関する様々なお話

管理栄養士の立場から、食事にまつわる塩分の様々なお話をします。

減塩食のお弁当はいかが?

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皆さん、こんにちは!

減塩についての食事や工夫点など色々お話してきましたが、あまりうまくいかないといった方はいませんか?

 

今回は、そういった方に減塩の方法をご紹介します!

それは、減塩の弁当を注文する!というシンプルな方法です(笑)

そんなものあるの~?と感じている方はぜひネット検索をしてください。

たくさん会社が出てきて迷うくらいありますよ!

 

お弁当宅配と聞くと、自分で食事を作れなくなったお年寄り用のイメージがあります。

しかし、現在はお年寄りでも様々な病気を抱えていることが多くなってきました。

(医療の進歩で高齢のお年寄りが増えていることも一因といえそうです。)

そこで、ただ食事を届けるのではなく、それぞれの病気に対応した食事のニーズが高まっています。

 

お弁当宅配に減塩食はもちろんありますし、前回お話した心臓病や腎臓病の方用の食事もあります。

病気の進行度やお医者さんの指示の1日の塩分量の食事を選ぶこともでき、便利です。

 

腎臓病の場合はカリウムの計算もしてあり、病院で出される食事と同じく計算された食事があるので安心です。

 

お弁当宅配にはたくさんのメリットがあります。

・手間がかからずにすぐに食べることができる

・食事を作る人の負担が減る

・自分では作れない料理が食べられる

・栄養計算されているので自分で作るより正確

 

このような点がありますね。

お弁当は電子レンジで温めるだけで食べられるものがほとんどです。

疲れた時でも、がんばって減塩料理を作る必要がないので、調理の負担はもちろん精神的にも楽になりますね。

 

他に、初めての料理が食べられることも良い点だと思います。

自分で料理を作っていると、どうしてもワンパターンになってしまうからです。

ほとんどの宅配会社には栄養士さんがいてバリエーションに富んだお弁当を作っています。

色々な料理があれば食べ飽きないで続けられますし、減塩生活ができているということにもなります。

 

デメリットは特に思いつかないのですが、しいていうなら、

・費用がかかる

くらいです(笑)

 

確かに自分で作るよりは高くなりますが、1日3食注文しようと思っている方は少ないと思います。

夕食だけとか、1週間に数回だけなら、そんなに費用もかかりすぎずに始められますね。

 

それに、お弁当に出た減塩食のおかずをまねして作ってみたり、減塩食の塩味の程度を舌で覚えることができたり・・。

こう考えると、自分が料理を作るときの参考になりますし、意外と利用価値はあるのではないでしょうか。

減塩が必要な病気・腎臓病について

皆さん、こんにちは!

前回減塩が必要な病気として心臓病について説明をしました。

減塩が必要な病気は他にもたくさんあります。

今回は「腎臓病」についてです。

実は、腎臓病も減塩が必要な病気なんです。

 

ところで、皆さんは腎臓の働きを知っていますか?

尿を出すところでしょ?という方ももちろん正解ですが、腎臓には他にも様々な役目があります。

 

【腎臓の働き】

①体に必要なものを判断し、処理している

腎臓は不必要なものは体外に尿として出しています。

しかし、必要なものは体の中に戻す働きもしています。

 

②血圧を適切に保つ

血圧も腎臓の働きによって保たれています。

塩分量が多い時は血圧が上がらないようにたくさん尿として塩分を出します。

また、塩分量が少ない時はあまり尿を出さずに血圧を維持しています。

 

 

他にもホルモンを調整するのも腎臓の仕事です。

1つでたった150g位しかない臓器ですが、たくさんの役目があるのですね!

 

【腎臓病とは】

お話した通り、塩分が高い食事をしていると、腎臓が血圧を保つためにたくさんの尿を作り、出すことになります。

このように腎臓に負担をかけていると徐々に腎臓の機能が低下していきますよね。

これが、腎臓病といわれる病気です。

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【腎臓病の食事について】

腎臓病になったら心臓病と同じく、腎臓病に負担をかけないようにすることが大切です。

そこで、塩分制限の食事になるのです。

腎臓病なのに、今までの食事を続けていると、塩分や水分を体の外に出すことが難しくなるため、むくみの原因にもなります。

 

腎臓病の食事の基本は塩分6g以下です。

高血圧、心臓病の場合と同じですね。

 

しかし、腎臓病の場合は少し複雑な食事制限が加わります。

塩分制限に加えて、たんぱく質制限が加わることが多いのです。

たんぱく質は肉や魚などに含まれているため、メインの料理を我慢しなくてはいけません。

腎臓病は進むにつれて、たんぱく質制限が厳しくなっていくことが多いです。

塩分制限も大変ですが、たんぱく質制限は自己流ではなかなか難しいです。

しかし、初期の腎臓病ではまだまだ制限が緩いため、早めに食事に気を付けることが大切です。

 

腎臓病がすすみ、ほとんど機能しなくなったら、透析という方法になります。

腎臓が行っていた不要なものを体の外に出す機能を人工的に行うのです。

透析は週に数回通わなくてはいけなく、時間もかかるため生活も不便になります。

そうならないように、減塩の食事をこころがけていきましょう!

減塩が必要な病気・心臓病について

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皆さん、こんにちは!

高血圧の他に、塩分を控えなければいけない病気について説明したいと思います。

今回は、「心臓病」です。 

 

①心臓の役割

心臓はどのような働きをしているかご存知ですか?

よく心臓はポンプのようなものと表現されますが、その通りで心臓は血液を取り込んで、全身に運んでいます。

しかし、簡単に血液を取り込めるわけではありません。

まず汚れている血液は肺に一旦送り出します。

肺で毛細血管と触れると、酸素を取り込んできれいな血液になります。

その後、また肺から心臓に血液を戻し全身に運んでいくのです。

 

もう少し詳しく言うと、心臓は左側と右側で分かれています。

左側では全身に血液を送り、右側では肺に汚れた血液を送っています。

 

②塩分制限の理由

なぜ心臓病の方には塩分制限が必要なのでしょうか。

説明した通り、心臓は血液のポンプとして大切な役割を持っています。

しかし、塩分を取りすぎると高血圧になりますね。

血管ももろくなりやすく、またドロドロの血液になるとサラサラの血液より流れが悪くなるため十分な血液を送ることができなくなります。

その状態でも、心臓はがんばってポンプの役割をするのですが、血液の流れが悪いので負担がかかっていきますね。

その状態が続くと心臓の機能が低下していきます。

十分な血液が全身に送られなくなったり、狭心症などの心臓病になっていくのです。

 

③心臓病の症状

既に高血圧の方は心臓病にかかるリスクが高いので、症状をチェックしてみましょう。

 

・急激な体重増加

数か月単位で体重増加した場合は、心配はいらないと思いますが、1週間程で数キロ増えている場合は太ったのではなく、体の水分が増えている可能性が高いです。

心臓の機能が低下していくと全身の血液循環が悪くなるため、水分が貯まっていきます。

明らかにむくんでいるときなども要注意です。

 

・ 疲れ、息切れ

全身に血液が循環していないと酸素が足りなくなります。

少し歩いただけで息が切れることもあります。

 

④心臓病の食事

心臓病になると状態を悪化させないように塩分制限になります。

入院すると6g以下の食事になることがほとんどでしょう。

また、血液量が増えてはいけないので塩分制限とともに水分制限も行う場合があります。

塩分制限もつらいですが、好きな時に好きな飲み物を取れないのもつらいですね。

 

このように、心臓病の原因には高血圧が大きく関わっていることが分かりますね。

心臓病にならないようにできる範囲で予防していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

血圧について②

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皆さん、こんにちは!

前回は血圧についてということで、高血圧の数値をお話しましたが、実は高血圧にも様々なタイプがあるのです。

 

今回はその部分を掘り下げていこうと思います!

まず前回お話したのは、

高血圧とは「収縮期が140㎜Hg以上、  拡張期が90㎜Hg  以上」の場合ということでしたね。

 

しかし、高血圧にも程度がありますので、ちょっと注意が必要なレベルなのか、それとも即治療レベルなのか数値によって大きく変わります。

 

・高血圧(軽度)

上でお話しした数値と同じ、収縮期が140㎜Hg 以上 、または拡張期が90㎜Hg  以上のことです。

高血圧と診断されてドキッとした方も多いと思いますが、まだまだ改善できる数値だと思います!

・高血圧(中度)

収縮期が160㎜Hg 以上 、または拡張期が100㎜Hg  以上になると中度となります。

中度になると高血圧の薬飲む方も多くなるでしょう。

・高血圧(重度)

収縮期が180㎜Hg以上、または  拡張期が110㎜Hg  以上になると重度です。

 

このように高血圧には3段階ありますが、もちろん程度が重いほど、他の病気にかかるリスクが増えます。

ちなみに、脳卒中で死亡してしまう可能性は軽度の方より重度の方の方が6~7倍増えるといわれています。

 

では、塩分控えめの食事を心がけたらどのくらいの改善が期待できるのでしょうか。

 

個人差がありますが、今まで取っていた食塩を1日1g減らすと、収縮期の血圧が1㎜Hg、拡張期の血圧が5㎜Hgほど下がるといわれています。

減塩をしてぐっと効果が出ることは難しいかと感じるかもしれません・・。

 

しかし、今まで塩分を考えずに食事をしてきた方だと1日10g以上は取っていることが多いでしょう。

こういう方がきちんと減塩の食生活を送ることができれば1日に3g程は下げることができますね。

こう考えると、高血圧の基準ギリギリの方に減塩は十分効果的です。

また、高血圧の治療には食事、運動、薬と様々な方法があるため、他の方法も同時に行うことでさらに効果が期待できます。

 

高血圧で医療機関にかかっている方でも食事は気を付けていない方がいます。

薬を飲んでいるから食事は気にしなくていいと考えている方も多い様ですね。

高血圧の薬の中には塩分を取りすぎると効きが弱くなってしまう種類があります。

薬が効かないと、処方される量も増えてきますので、自分が払う医療費も増えてしまいますよね。

このように、健康面や経済面からも高血圧の方の減塩はお勧めです。

 

血圧について①

皆さん、こんにちは!

毎回塩分についてのお話をしていますが、塩分を取りすぎると血圧が高くなりやすく、他の病気にもかかってしまいやすいですよね。

そこで、今回は血圧についてお話します。

職場の健康診断の結果などを手元にご覧ください。笑

 

・高血圧の数値

高血圧は言葉の通り、普通の方より血圧が高い状態ですよね。

拡張期の血圧(下)が90㎜Hg  以上か収縮期の血圧(上)が140㎜Hg  以上の場合に高血圧と呼ばれています。

血管の中を通る血液の圧力が高いと血管に負担がかかり、それが続くと血管が固くなったりもろくなったりと壊れやすくなります。

 

ちなみにこの血圧は医療機関で測った時の数値になります。

自宅で測った時は、拡張期の血圧が85㎜Hg  以上か収縮期の血圧が135㎜Hg  以上になります。

一般的に血圧は落ち着いて過ごしている自宅より医療機関の方が高くなる傾向があります。

ですから、5㎜Hg ずつ少ない数値になっていますね。

 自宅で測るときと医療機関で測るときのばらつきなどもありますので、血圧が高めの方はできれば自宅でも定期的に測るとよいでしょう。

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現在は、便利な血圧測定器が販売されています。

今までの上腕式はさらにコンパクトになっていますし、持ち歩きも可能な手首式の血圧計も手頃な価格です。

また、最近はスマートフォンのアプリと連動できる商品も多く、毎回記録をする手間がありません。

かかりつけの医師に見せるときにも簡単に見せることができますし、きちんとした情報を伝えることができます。

 

・血圧が高くなる原因は2つ

高血圧の方はとりあえず塩分の取りすぎに気を付けていたら大丈夫!と思う方もいるでしょう。

高血圧の原因は2つあります。

①二次性高血圧

甲状腺機能が低下している方などに当てはまります。

病気が原因なので、塩分を取りすぎていなくても高血圧になります。

塩分が原因ではないですが、塩分の取りすぎは良くないので二次性高血圧の方でも減塩は大切ですよ!

ちなみにこの二次性高血圧は高血圧の方の10%ほどといわれています。

この高血圧のタイプはまず医療機関にかかって原因を明らかにすることが大事です。

②本能性高血圧

二次性高血圧以外の90%ほどを占める高血圧のことです。

私たちが考える高血圧のイメージがこの本能性高血圧ですね。

生活習慣はもちろん、遺伝も考えられる高血圧です。

これは、今までお話していた減塩の食事が効果的なのでぜひ取り組んでいきましょう。

 

 

 

 

 

外食やお惣菜を買う時のポイント

皆さん、こんにちは!

お正月も終わり、通常の生活に戻っている方がほとんどですね。

しかし、私を含めてまだ休みボケで本調子が出ない方も多いと思います笑

食事はほぼ毎日3食作っていますが、この時期はなんだか疲れてお惣菜や外食をしたくなってしまいます。

 そこで、今回は塩分控えめの外食やお惣菜の選び方を伝授しようと思います!

 

外食やお惣菜は塩分が高いものが多いので選び方に工夫が必要です。

 

・外食のときは定食ものを選ぶ

丼ものやカレーライスなど1品料理はどのくらい量を食べているのか把握しにくく

、また全部が同じ味になっていますよね。(当たり前ですが・・・)

知らず知らずのうちに塩分がオーバーしてしまいやすいです。

その点、定食ものだと1品料理とは違い、おかずが数種類に増えます。

和定食の場合、ご飯、味噌汁、メインの魚や漬物、煮物や和え物などが一般的でしょうか。

洋食を選んだ場合でもご飯やパンの他にメイン、サラダ、スープなど数種類が出てきますよね。

このような食事を選ぶと塩分の多いおかずを控えたりと自分で簡単に調整ができます。

 

また、お浸しや焼き魚などには醤油がついていて自分で好きな分をかけられるというスタイルが多いです。

ハンバーグソースなども卓上にある場合が多いです。

そのまま何もかけずに食べれば減塩につながりますし、無駄にかけることがないので良いですね。

このように、外食でも自分の選び方次第では塩分取りすぎは防げます。

 

定食のような外食が理想的だけど、時間がなくてファーストフードや牛丼屋しか行けない!といった場合もあるかと思います。

そういう時は自分の食べる量よりやや少なめに注文し、サラダなどの野菜料理を1品増やしましょう。

生野菜に含まれるカリウムの塩分排出効果も期待できます!

 

 

・お惣菜は買ってから一工夫

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お惣菜は味付け済みなので調整できない・・と思われる方も多いと思いますが、裏技があります!

自分が食べる量より、量が少なめのものを買って一工夫するのです。

自宅にある、玉ねぎや人参などの野菜を加えることです。

くせのない野菜を使用すると和食の肉じゃがなどのお惣菜はもちろん、酢豚などの中華にもOKです。

減塩効果はもちろん、かさも増えるので節約にもつながりますよ!

 

以上、塩分を気にする方の外食とお惣菜を買う時のポイントでした!

疲れた時、忙しい時に外食やお惣菜は確かに便利です。

何も考えずに好きなものだけ食べないよう少しだけ工夫して食事をしましょう。

 

 

 

亜鉛不足は減塩の敵!

皆さん、こんにちは!

塩分控えめの食事をしているけれど、いまいち味がしないという方はいませんか?

 

個人の味の好みももちろんありますが、もしかしたら味を感じにくい味覚障害の可能性もあります。

同じ料理を食べていても、塩味に満足する方と、物足りないと感じ、何か調味料をかけてしまう方・・・どちらが塩分控えめの食事ができるか分かりますよね。

味覚障害というと怖い病気のような感じですが、割となりやすく身近なものです。

 

今回はその味覚障害についてお話ししたいと思います。

 

味覚障害の大きな原因が亜鉛不足です。

亜鉛とは体の中にある栄養素で、骨や筋肉などに存在しています。

しかし、亜鉛は体の中で作ることができないため、毎日私たちが食べ物で補っていかないといけない成分なのです。

 

亜鉛は様々な食品に含まれており、お肉やお魚、豆やナッツ類などに特に多いです。

普段から定食のような数品目ある食事をしていると、亜鉛が不足することはあまりありませんが、タンパク質を意識的に取ろうとしていないと不足しやすくなります。

おかずの少ないごはんと汁ものだけなどの食事には注意しましょう。

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また、亜鉛を意識的に取っていても生活習慣によって亜鉛の効果が少なくなってしまうことがあります。

 

①過度の飲酒

適度の飲酒なら問題ありませんが、お酒は体外に出るときに亜鉛も一緒に出してしまします。

よくお酒を飲む方はおつまみを亜鉛を多く含むナッツ類にするなどして工夫しましょう。

 

②インスタント食品の食べ過ぎ

インスタント食品などはすぐに食べられて便利ですが、中に含まれている食品添加物によっては亜鉛の吸収をブロックしてしまうことがあります。

使うときは商品の裏を確認し、できるだけ添加物が入っていないものを選びましょう。

 

亜鉛不足で起きる症状は味覚障害が代表的なものですが、他にもいくつかの症状があります。

亜鉛は免疫に関係がある栄養素のため、風邪などにかかりやすくなる場合もあります。

日頃から調子が悪い、疲れやすいといった方はもしかしたら亜鉛不足かもしれません。

 

また、亜鉛には皮膚を健康に保つ効果があるため、不足すると口内炎や傷が治るのに時間がかかる、ということも起きます。

 

このように亜鉛は私たちの体で大切な働きをしています。

亜鉛不足を解消できれば、舌が敏感になるため塩分を控えめにしてもおいしいと感じることができます。

それが塩分控えめの食生活の成功にもつながればいいですね!