管理栄養士の塩分に関する様々なお話

管理栄養士の立場から、食事にまつわる塩分の様々なお話をします。

減塩が必要な病気・腎臓病について

皆さん、こんにちは!

前回減塩が必要な病気として心臓病について説明をしました。

減塩が必要な病気は他にもたくさんあります。

今回は「腎臓病」についてです。

実は、腎臓病も減塩が必要な病気なんです。

 

ところで、皆さんは腎臓の働きを知っていますか?

尿を出すところでしょ?という方ももちろん正解ですが、腎臓には他にも様々な役目があります。

 

【腎臓の働き】

①体に必要なものを判断し、処理している

腎臓は不必要なものは体外に尿として出しています。

しかし、必要なものは体の中に戻す働きもしています。

 

②血圧を適切に保つ

血圧も腎臓の働きによって保たれています。

塩分量が多い時は血圧が上がらないようにたくさん尿として塩分を出します。

また、塩分量が少ない時はあまり尿を出さずに血圧を維持しています。

 

 

他にもホルモンを調整するのも腎臓の仕事です。

1つでたった150g位しかない臓器ですが、たくさんの役目があるのですね!

 

【腎臓病とは】

お話した通り、塩分が高い食事をしていると、腎臓が血圧を保つためにたくさんの尿を作り、出すことになります。

このように腎臓に負担をかけていると徐々に腎臓の機能が低下していきますよね。

これが、腎臓病といわれる病気です。

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【腎臓病の食事について】

腎臓病になったら心臓病と同じく、腎臓病に負担をかけないようにすることが大切です。

そこで、塩分制限の食事になるのです。

腎臓病なのに、今までの食事を続けていると、塩分や水分を体の外に出すことが難しくなるため、むくみの原因にもなります。

 

腎臓病の食事の基本は塩分6g以下です。

高血圧、心臓病の場合と同じですね。

 

しかし、腎臓病の場合は少し複雑な食事制限が加わります。

塩分制限に加えて、たんぱく質制限が加わることが多いのです。

たんぱく質は肉や魚などに含まれているため、メインの料理を我慢しなくてはいけません。

腎臓病は進むにつれて、たんぱく質制限が厳しくなっていくことが多いです。

塩分制限も大変ですが、たんぱく質制限は自己流ではなかなか難しいです。

しかし、初期の腎臓病ではまだまだ制限が緩いため、早めに食事に気を付けることが大切です。

 

腎臓病がすすみ、ほとんど機能しなくなったら、透析という方法になります。

腎臓が行っていた不要なものを体の外に出す機能を人工的に行うのです。

透析は週に数回通わなくてはいけなく、時間もかかるため生活も不便になります。

そうならないように、減塩の食事をこころがけていきましょう!