管理栄養士の塩分に関する様々なお話

管理栄養士の立場から、食事にまつわる塩分の様々なお話をします。

塩は細菌類の増殖を抑える!

皆さん、こんにちは!

 

今回は塩を使うとどのような効果があるのか?を掘り下げてみたいと思います。

以前にも、ちらっとお話ししましたが、加工食品には賞味期限が長い商品が多いです。

これらの加工食品には塩が多めに使われているので注意!ということでした。

 

塩の名誉挽回のために行っておきますが(笑)塩自体は悪いものではなく、すごい効果を持っているのです。(何回も言っているように摂りすぎはだめですが)

 

塩は味付けに使われていることはもちろんですが、他の理由から塩を利用している食品も多くあります。

家庭で作る料理はやや濃いめの味付けで作ると長持ちします。

 

そもそもなんで塩辛いものは長持ちするのか?

単に塩辛いだけで長持ちしているのではなく、塩の持つ「浸透圧」の作用をうまく利用しているからです!

 

「浸透圧」は塩をかけると食材から水分が抜けるという性質でしたね。

その時、水分だけが抜けるのではなく、細菌類の繁殖も予防できるのです。

細菌類の繁殖が進まなくなれば腐敗も進みにくいですよね。

その結果、食品が長持ちし賞味期限が長くなることになります。

 

例えば、漬物の浅漬けは賞味期限も近く塩分もそれほど多くありません。

浅漬けは1食分で約0.7gの塩分になります。

塩分を気にされている方で漬物をどうしても食べたい!という場合にはおすすめです。

 

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一方、たくあん漬などは賞味期限が比較的長いです。

たくあん漬けは1食分で約1.4gです。

なんと、浅漬けの2倍の塩分になってしまうのです!

長持ちするということは・・そう、やはりたくさんの塩分が使われているということになりましたね。

同じ漬物でも、種類によってこのように塩分の違いがあります。

 

塩分を気にされている方は、もちろん、塩分量の記載を確認するのがベストですが、賞味期限を見て塩分の量を想像するのもおもしろいですね。

 

また、食品に「食塩〇%カット」「減塩」などと書いてあることがありますが、このような食品を選ぶのも一つの方法です。

 

減塩してある食品の注意点として、一般的に減塩の食品は通常の商品よりは長持ちしません。

しかし、すぐに食べる予定があるなら全然問題ありませんよね。

通常の食品と比べても味がほとんど変わらなく、おいしく食べられる食品が多いので上手に利用していきましょう。

 

以上、塩は浸透圧で細菌類の増殖まで抑えるとはすごいですね!

浸透圧までは知っていたかはともかく、塩を使えば長持ちすると保存食を作っていた昔の日本人は素晴らしいです。