管理栄養士の塩分に関する様々なお話

管理栄養士の立場から、食事にまつわる塩分の様々なお話をします。

「和食」と塩の関係とは?

皆さん、こんにちは!

 

前回、体の中の「塩」は足りなくても多すぎても体調が悪くなってしまうことを説明しました。

 

今回は、日本人は今どのくらいの塩分を摂っているのかを調べてみましょう。

 

平成25年のデータですが・・男性11.1g、女性9.4gとなっています。

厚生労働省が出している塩分量の目標は男性8g、女性7gとなっているのでそれよりも多く摂っているようですね。

ちなみに、前回お話しした通り、塩の摂りすぎは高血圧を悪化させますので、高血圧の人はさらに少ない1日6gを勧めています。

 

目標にはまだまだ届きませんが、日本人の塩分摂取量は徐々に少なくなっているのです!

 

戦後すぐはなんと1日15gほどの塩分を摂っていました。

 

では、なんで日本人の塩分量は多いのか?ですが・・・その原因はずばり「和食」です。

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日本人は昔から、漬物や味噌汁など塩分の多いおかずになじみがあります。

どんどん食事は洋風になっていますが、それでもご飯と味噌汁はほっとする特別な味ですよね。

お年寄りは特にそうかもしれません。

しかし、漬物には種類にもよりますが1食で1.5g、味噌汁にも1杯で1.5gくらいの塩が入っています。

3食ともご飯と味噌汁、漬物をつまむ・・それだけで1日の塩分目標量とほぼ一緒になっているかもしれません!

(でも、和食は塩分以外はほぼ栄養バランスが完璧と言われています)

 

戦後すぐの時代には冷蔵庫なども普及していなかったため、貴重な食材を長く保存して無駄なく食べきることがとても大切でした。

ですから、塩を使い食材を漬物や干物などにして食べていたのです。(今よりもかなり多い15gほどの塩分をとっていた時代ですね!)

 

塩は日本の中でも地域によってずいぶん塩分量が違います。

一般的に北にいけば塩分が多い食事をしているといわれています。

これにもきちんとした理由があります。

昔は寒さが厳しく、雪が多い地方だと交通が不便になり、冬の間は食材が手に入れることができません。

夏が短く、野菜などの収穫時期も短いため保存食が当たり前だったそうです。

また、塩は体を温める作用があります。

昔の人は生活をしていくうちにその土地にあった食事をしていたのかもしれません。

 

昔の人の知恵は素晴らしいですが、今は冷蔵庫も車もありますので心配ありませんね!笑

味噌汁を少し控えめにする、漬物の量を減らすなどできることから減塩にチャレンジしていきましょう。

ちなみに1日の塩分量が1.5gほどあれば塩分不足にならないため、不足することはほぼありません。