管理栄養士の塩分に関する様々なお話

管理栄養士の立場から、食事にまつわる塩分の様々なお話をします。

塩と血圧の関係について!

 

皆さん、こんにちは!

 

前回は「塩」は水分を吸い取る性質を持っていると簡単に説明しました。

今回はその「塩」の性質と血圧にはどのような関係があるのか?を説明していきたいと思います。

 

f:id:ikkinotdie194:20170708105742j:plain

 

まず、そもそも血圧とはなんでしょうか?

血圧とは血液が流れている血管を押す力(圧力)のことです。

その押す力が強すぎると高血圧、弱すぎると低血圧ということになります。

 

前回お話しした通り、塩をかけるとなめくじは塩の水分を吸い取る性質により水分を取られてあっという間に縮んでしまいます。

でも、なめくじにすぐに水をかければ、程度にもよりますが復活するんですよ。

この塩と水の仕組みが人間の体の中でも起こっているのです。

少し難しい言葉になりますが、この人間の体の中で起こる仕組みを「浸透圧」と呼ばれています。

 

人間の体は、常に一定の塩分の濃さで調節されているのです。

例えば、塩辛い食べ物を食べた後はのどが渇いて飲み物がほしくなりますね。

それは、体の中の塩分が濃くなりすぎてしまって、もとに戻そうと体が水分を増やし

て塩分を薄めてバランスをとろうとするからです。

また、運動などで汗をたくさんかいたときや、熱が出て汗をかいたときには普通のお水より塩分が入っているスポーツドリンクの方がおいしく感じませんか?

私も、普段はほとんどスポーツドリンクを飲みませんが、体調が悪くなるとなんだか飲みたくなります。体調が悪いな~というバロメーターにもなっています笑

この場合は逆に体の中の塩分が薄くなっているので、塩分を増やそうとバランスをとっているのです。

「のどが渇いた~」は何気なく感じていることですが、体の足りないものを補おうという反応です。

人間の体はよくできていまね。

 

塩分の多いものを食べると、血管の中の血液の塩分が濃くなります。

体は塩分の割合を薄めようと血液の量を増やしてもとに戻そうとします。

そうすると、血管の中を通っている血液の量が増えますよね。

血管の太さはそうそう変わりませんので、血液の量が増えた分血管の中の圧力が増えます。

このように「塩」を摂りすぎると、体の中で塩分のバランスをとろうと血液が増えます。

これが続くと高血圧になってしまいます。

 

これで「塩」と血圧の関係をなんとなくわかっていただけしたか?

人間の体はちょうどいい塩分のバランスで調節されていることはわかりました。

では次回は、体の塩分が濃すぎるとどうなるのか?逆に薄すぎるとどうなるのか?をお話していきたいと思います。