管理栄養士の塩分に関する様々なお話

管理栄養士の立場から、食事にまつわる塩分の様々なお話をします。

塩分目標量は誰が決めているの?

皆さん、こんにちは!

何度もお話ししている通り、日本人の塩分摂取量は男性で8g以下、女性で7g以下と決められていますが、その理由を詳しく説明していきたいと思います!
 
そもそも誰が塩分量を決めているのか?と思いますが、きちんとした基準があるのです。
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」というものを発行していて、それに各栄養素の量が決められてあります。
これが、日本人が生活習慣病にならないように健康的な生活を送ることのできる基準になっています。
 
栄養分野の教授や医師などで構成されたメンバーが今までの研究結果や副作用等をもとにこれを作っています。
塩分だけではなく、カロリーやカルシウムなどほかの栄養素の量も全て調べられて記載されています。
 

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少し前は「日本人の栄養所要量」という名前でしたが、2004年に「日本人の食事摂取基準」という名前に変更になりました。
食事摂取基準は現在、5年ごとに改定されています。
 
栄養士はこの基準を満たすように、病院や施設、学校給食などそれぞれの場で献立を立てているのです。
 
改定では、必要のない栄養素は摂取量が減ったり、より大切な栄養素は摂取量が増えたりしてより健康でいられるように摂取量が改定されていきます。
また、サプリメントなどの普及による過剰摂取の上限がある栄養素もあります。
 
塩分は5年ごとの改定の度に必要量が減っています。
5年前の塩分量は男性が9g、女性が7.5gでしたので、男性が1g、女性が0.5g減っていますね。
 
これは塩分の取り過ぎが生活習慣病に繋がる可能性が高く、健康な生活を送るためには減塩が必須だということが年々実証されているからだと思います。
 
また、この食事摂取基準は年齢ごとの詳しい基準もあります。
12歳からの塩分量は成人と同じ量になります。
子供の塩分量は、例えば1歳から2歳までは3g未満、3歳から5歳までは4g未満となっています。
子どもの塩分量の基準はかなり厳しいですね!
 
離乳食の頃は塩分に気を使っている方が多いと思いますが、少し大きくなって食事の取り分けが可能になる頃は注意が必要です。
大人が塩分の多い食事をしていると、同じ食事を取る子どもも、自然に塩分が多くなってしまいます。
また、子どもの頃に濃い味ばかり食べていると舌が慣れてしまい薄味を受け付けなくってしまいます。
子どもがいる方なら子どもの将来のためにも薄味を基本にしたいですね。
 
最新の食事摂取基準は2015年度版です。次に発表されるのは5年後の2020年度版になります。塩分量はどのように変わるのでしょうね。